さらに原料としてのノルウェーさばについて
 
漁獲時期の選定
  永年の試食の結果、漁獲開始の9月上旬から9月中旬までのさばは、魚体が軟弱で皮下脂肪が多く、魚肉内部への脂肪の浸透が不十分。 また、11月上旬以降のさばは、抱卵期に向け、魚肉からの脂肪分の抜けが急速に進行します。
以上の理由並びに美味の本質を探求した結果、当社では漁獲期間を9月下旬から10月下旬に限定することが最良の選択であると確信しております。

漁獲法・漁船の選定
  現地調査の結果、ノルウェーさばの漁獲法・漁獲船は「沿岸小型巻網船」「つり漁船」「トロール船」「大型巻網船」の4つに分類できます。

  1,沿岸小型巻網船漁船
小型船のため操業海域が、沿岸に限定され9月中旬以降の最高品質のさばの漁獲海域での操業ができません。また、船内の漁槽も小型な上、冷却装置も魚体を冷却するには不十分で、明らかな鮮度の劣化が確認できます。

  2,釣り漁船
沿岸小型巻網船よりさらに操業海域が限定的となりさらに不十分な冷却装置のため、鮮度の劣化がより進行します。加えて、釣り針による口から顔面 にかけて“キズ”がある魚体が大部分に確認できます。

  3,トロール船
漁獲物を長時間、曳航する漁法のため鮮度の劣化、並びに魚体内部の損傷によるうっ血(打ち身)が、多発します。

  4,大型巻網船
大型巻網船で漁獲された魚は、最新鋭の漁獲機器により、魚体に負担をかけずに効率的に漁獲され、船内の海水循環式冷却装置により、魚体が十分に冷却された状態で陸上工場に搬入することができます。

  また、ノルウェー産以外の原産国のさばは、漁期・漁法・漁船・及び冷凍生産の過程、いずれかに問題視する点があり、当社の原料選定基準には不適格であると考えます。

以上の理由から鮮度の本質を追究した結果、当社では原産国ノルウェー、漁期9月下旬から10月下旬、漁法・漁船を大型巻網船のみに限定することを、原料選定の基本理念としています。